三宅 良造(NECソリューションイノベータ(株)第二ソフトウェア事業部)
3.NEC
Webシステムの構築
NECでは、アプリケーションサーバ「WebOTX Application Server」とオンライントランザクション処理システム「TPBASE」を使用し、Webシステムを構築します。
COBOLプログラムは、「TPBASE」上でトランザクション処理を実行するアプリケーションプログラム(TPP)として構築します。
この構成では次のような特長があります。
- ビジネスロジックを使い慣れたCOBOL言語でコーディングすることができます
- 「TPBASE」の機能によりシステムの信頼性、可用性を高めることができます
- 画面を自由にデザインすることができます
Webシステムの構築例
データの流れは次のようになります。
- Webブラウザから入力したデータはAPサーバ(コネクタAP)を経由して、バックエンドサーバ(TPP)で受け取ります。
- TPPでは、受け取った入力データを処理し、結果をコネクタAP経由でWebサーバに送ります。
- Webサーバ(Servlet)は受け取った結果を、Webブラウザに表示します。
補足
※Webブラウザ 1画面に対し、対応するTPPが 1つ必要となります。
※コネクタAPとTPP間で受け渡しするデータは、Webブラウザから入力したデータそのものではなく、電文形式データとなります。
※TPP(COBOLプログラム)では、電文形式データを扱うため、TPBASEが提供している関数を使ってデータを受け渡しする必要があります。
Webシステムの開発
開発時には受け渡しする入出力データを定義したCOPY原文を作成し、これを元にJSP/Servletの入出力データフィールドやコネクタAPのメソッド引数定義を自動生成します。また、TPBASE提供の電文形式データを扱う関数の引数にこのCOPY原文を指定したTPPを作成することで、WebブラウザとTPPの間で受け渡しするデータの整合性を保つことができます。
開発の流れ
- ① Webブラウザの画面デザイン設計、コネクタAPを介してTPPとの間で受け渡しする入出力データ設計を元に作成します。
- ② WebブラウザとTPPとの間で受け渡しする入出力データ設計を元にCOBOLのデータを定義します。
- ③ TPPとなるCOBOLプログラムを作成します。電文形式データ処理関数を使用してWebブラウザとの間で受け渡しする入出力データを処理します。このとき、②のCOPY原文を電文形式データ処理関数の引数に指定します。
- ④ ②のCOPY原文をインポートし、IDL定義ファイルおよびJavaソースを生成します。
- ⑤ ①のHTML/JSPファイルと④で生成したIDL定義ファイルを使ってJSP/Servletを生成します。
- ⑥ IDL定義ファイルを使って、コネクタAPのメソッド引数定義を生成します。
- ⑦ ②のCOPY原文および③のCOBOLソースを元にTPPを生成します。
このように、②のCOPY原文を元にして生成したIDL定義ファイルを、JSP/Servlet、コネクタAPの生成に利用し、②のCOPY原文をTPP生成に利用することで、WebブラウザとTPPの間で受け渡しするデータの整合性を保つことができます。